Art de V. 10周年を記念して
Art de V.を着てくださっている素敵な方々に会いに行き
その方のスタイルと仕事に対する向き合い方・
皆さんの歩まれてきた物語をお聞かせいただきました。


インタビュー
伊藤尚美さんはArt de V.が生まれるきっかけを作ってくれた方。

伊藤さんと出会ったのは、私がインテリアや生活調度品を扱う仕事に就いていた20数年前。
就職して一年目、初めての企画で担当させていただいたのが伊藤さんでした。

その後独立した私に伊藤さんからお声掛けいただき、
naniIROのアトリエ「ATELIER to naniIRO」にて開催したATELIER COATの展示会でArt de V.がスタートしたのです。
今回はそんなArt de V.10周年に欠かすことのできない伊藤さんにお話を伺いに伊賀のアトリエにお邪魔しました。

伊藤さんのアトリエに入ってすぐに目を奪われるのは大きな窓から眺める一面の豊かな田園風景。
風が吹くと青々とした穂波が揺れるのが美しく、心も風が通るような清々しい景色がそこにはあります。
アトリエに目をやると
naniIROの生地や書きかけの絵、画材、インスピレーションのカケラが散りばめられており、伊藤さんの頭の中に入ったよう。
そこはとても穏やかで美しく、光や影が一瞬の美しさを見せてくれたりいるだけで五感を刺激されます。
伊藤さんとは私が前職の時に仕事でご一緒したのがきっかけで、おつきあいは20年以上になりますが、伊藤さんといえばお茶なのです。

この日もウエルカムドリンクに始まり、庭から積んで来たハーブティや庭で育てた藍の白茶、そして珍しいラオスの山奥スンチャー村の白茶などを丁寧に入れて頂きました。
伊藤さんとお茶との出会いは、大阪の天満に長くアトリエを構えていた頃

絵を描く作業の合間の気分転換で
西天満の中国茶館”無茶空茶(むちゃくうちゃ)”に出会い、お茶の世界に引き込まれたそう。

「絵を描く作業は一人の時間が長いため、作業のお供にお茶は欠かせない存在です。」

気分転換に、庭のハーブを摘んでお茶を入れまた絵に向かう

それが伊藤さんの日常のルーチン
naniIROは昨年20周年を迎え、今は世界30カ国以上に輸出され日本だけでなく世界の人たちの生活を彩っている。

水彩画家の伊藤さんが描くテキスタイルで自分の小物や服、子供の服を作った経験のある方も多いのでは?

「布はアートを日常に落とし込み、生活の材料として使う魅力があるんです。」

幼少時代からピアノをしていた伊藤さんは
絵を描く時、いつも庭にある植物−花、枝、葉っぱなど−の重なりが手に宿り、リズムになっていくという。
「20年以上新作を出し続けている中でも
毎年自然と描きたいものが出てくる。」


そういいながら来年の新作を見せてくれた。

絵を描くことに加え、新しい技法を駆使した表現をテキスタイルにするという新しい試みも。

伊藤さんらしい柔らかでのびのびとした瑞々しい筆運びはいつも自由で美しい旋律を奏でるよう。
そのバランス感覚を常に考えながら描くことができる人

それが伊藤さんの描くテキスタイルが愛される理由。
若い時は単身フランスへ渡りパリの花屋で展覧会をしたり

そしてテキスタイルデザインを発表してからはフランスのBONTONでも展覧会をしていた伊藤さんだが、結婚してから外に向かうことから内に向かう時間が増えたという。

「アトリエを10年前に生まれ育った場所に移し、外から内へ自分の人生を耕すことに重きをおいていくようになったのは子供が産まれたことも大きく影響しています。」

子供を育てることで地域とも触れ合う。

地元に根をはり、日々の子供との暮らしは伊藤さんの生み出す世界感をより深く、より愛に溢れたものへ。

私も、伊藤さんがお子さんを宿した時の展示で
手と手を取り合う絵や穏やかで暖かな色合いを拝見したとき、新しい表現が始まったことを強く感じたことを今でも覚えています。
もうすぐ絵を生業として30年になる伊藤さん

絵を描くこととテキスタイルデザイン、そしてこれからの表現を思い描くアイディアをこっそりと教えて頂きました。

これからの伊藤さんの活動も見逃せません。
一人のアーティストとして更に深く広く広がっていく伊藤尚美さんの世界を心近くに見せて頂くのを楽しみにしています。

お忙しい中ご協力頂きありがとうございました。